[金曜日の夜ごはん] 里芋の揚げまんじゅう

平日を駆け抜けて、明日は週末。ケの日だけれどちょっとワクワクする金曜日の夜は、このひと皿を作って、週末のあれこれを考えながら、ゆっくりと楽しむひと時に。
里芋の揚げまんじゅう
秋の味覚で包み込むこっくりとした味わいの揚げまんじゅうです。里芋ペーストに青海苔を入れると磯の香りがプラスされ、つなぎの役割もしてくれます。アオサを手で砕いて入れるのもおすすめです。海老はぷりっとした食感を残すくらいの大きさにすると、もっちりとした里芋とのコントラストが楽しめます。始めに剥いた里芋の皮を最後に貼りつけて、風味を効かせるのがポイント。中の鶏ひき肉と海老を生のまま揚げるので、外側が先に焦げないように中温の油でじっくりと揚げます。お好みで銀あんや、べっ甲あんをかけても良いでしょう。秋の夜長にゆっくりと味わいたい一品です。
材料(6個分)
里芋 1袋(約450g) / 青海苔 大さじ2 / 鶏ひき肉 50g / 海老 6尾 / 濃口醤油 小さじ1/2 / 味醂 小さじ1/2 / 太白胡麻油 小さじ1 / 玉葱 50g / 椎茸 1枚 / 茹で銀杏 6個 / 片栗粉 適量 / 揚げ油 適量 / おろし生姜 約小さじ1

作り方
1. 里芋は皮ごとよくたわしで洗って、水を入れた鍋に入れて串がすっと通るまで20分ほど茹でてザルに取る。荒熱が取れたら、皮を剥いてすり鉢などに入れて、塩ふたつまみ(分量外)と青海苔を加えてペースト状に潰す。剥いた皮は取っておく。
2. 椎茸と玉葱は粗微塵に切る。茹で銀杏は半分に切る。
3. 小さなフライパンに太白胡麻油を入れて温め、椎茸と玉葱を炒める。塩を少々振って玉葱が透き通ってきたら取り出して冷ます。
4. 海老は殻が付いていれば剥いて背腸を取り、塩水で洗って水気をふく。包丁の腹で潰して粗くたたいて、鶏ひき肉とともにボウルに入れる。塩ひとつまみを加えて粘りが出るまでよく混ぜ、濃口醤油、味醂、(2)の銀杏、(3)の野菜を加えて混ぜる。6等分にしておく。
5. (1)の里芋のペーストも6等分にして、手に片栗粉を付けて取り出し、真ん中に(4)の具材を入れて包み込む。里芋の皮をさっと濃口醤油(分量外)に潜らせたものを周りに貼り付け、全体に片栗粉をまぶす。
6. 170℃の揚げ油でじっくり5~6分ほど揚げて、周りの色が薄いようなら少し温度を上げ、きつね色になったら取り出して油を切る。皿に盛り、おろし生姜を添える。

[CHEF PROFILE]
大黒谷寿恵(料理人、寿家主宰)

石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。数店舗の料理長を経て、2006年 kurkku cafeのディレクター兼料理 長に就任。独立後は講師、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業。野菜や日本の伝統食材を用いた料理を得意とする。2015年に「にほんのごはん」のサイトを立ち上げる。三菱地所が働く女性に向けた食のプロジェクト「Will Conscious Marunouchi」では、丸の内の飲食店舗と連携して、“腸内活性”をテーマにした料理のプロデュースも行う。共著に『和サラダ/和マリネ』(エイ出版)がある。
http://nihonnogohan.com/

写真:Mizuho Takamura