[金曜日の夜ごはん] 塩糀、甘酒、酒粕の豚ばら牡蠣鍋

平日を駆け抜けて、明日は週末。ケの日だけれどちょっとワクワクする金曜日の夜は、このひと皿を作って、週末のあれこれを考えながら、ゆっくりと楽しむひと時に。
塩糀、甘酒、酒粕の豚ばら牡蠣鍋
鍋料理は、さっと手早くできてご馳走感もある金曜日の夜ごはんに最適なメニュー。塩糀、甘酒、酒粕が織り成す発酵の相乗効果で、食材の持ち味が最大限に引き出されるため、すっきりとした旨味を醸す昆布だしを合わせるのがベスト。だしの出る食材は水から入れると良いので、この鍋と相性の良いメインの豚ばら肉は火を入れる前から入れ、火が入ると固くなってしまう牡蠣はほうれん草や長葱と一緒に最後に入れて。白菜やきのこは干すことで旨味が凝縮されて保存性も高まるので、ぜひ天日干しにチャレンジしたいところ。スープは最後の一滴まで味わえるやさしい味わいです。
材料(2〜3人分)
ミネラルウォーター(軟水)1L / 昆布 15g / 塩糀 大さじ5 / 甘酒(濃縮タイプ)50ml / 酒粕(柔らかいタイプ)50g / 豚ばら肉薄切り 300g / 牡蠣 1パック / 白菜 1/8個 / 好みのきのこ 1パック / ほうれん草 1パック / 長葱 2本 / ラーメン 2玉

<風味づけ>
胡麻油 適量 / いしり 適量 / 山椒の粉 適量 / 柚子の皮 適量 / ラー油 適量

作り方
1. 金曜の朝に土鍋にミネラルウォーターを入れて昆布を浸しておく。豚ばら肉を食べやすい大きさに切り、大さじ2の塩糀をまぶしておくと下味がついて柔らかくなる。晴れていたら白菜ときのこをザルに広げて干し、旨味を凝縮させる。
2. ほうれん草は水に浸けてシャキッとさせ、一口長さに切る。きのこは石付きなどを取り、ほぐしておく。白菜は5mm幅くらいの長めの棒状に切る。長葱は白い部分を斜め薄切りにして冷水に放ち辛味を取り、シャキッとしたらザルに取ってよく水気を切る。
3. 牡蠣は塩水でひだの部分を優しく洗いザルに取る、を3回ほど繰り返して洗って水気を切る。
4. 塩糀大さじ3、甘酒、酒粕を混ぜ合わせてから、(1)の鍋によく溶く。豚ばら肉もほぐしながら加えて火にかける。沸騰直前に昆布を取り出し、白菜ときのこも加える。食べる間際に牡蠣とほうれん草と長葱を加えて、火が通ったら器にスープとともに取り分け、好みの風味づけで食べる。
5. 締めに硬めに茹でたラーメンを入れて軽く煮て、ラー油をかけて食べると美味しい。

*長葱の水切りは、ザルとボウルの縁同士を向かい合わせにしてよく振るとサラダスピナー要らず。
*塩糀は塩分に差があるので、味を見ながら量を加減する。

[CHEF PROFILE]
大黒谷寿恵(料理人、寿家主宰)

石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。数店舗の料理長を経て、2006年 kurkku cafeのディレクター兼料理 長に就任。独立後は講師、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業。野菜や日本の伝統食材を用いた料理を得意とする。2015年に「にほんのごはん」のサイトを立ち上げる。三菱地所が働く女性に向けた食のプロジェクト「Will Conscious Marunouchi」では、丸の内の飲食店舗と連携して、“腸内活性”をテーマにした料理のプロデュースも行う。共著に『和サラダ/和マリネ』(エイ出版)がある。
http://nihonnogohan.com/

写真:Mizuho Takamura


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