[金曜日の夜ごはん] 蛤出汁の若竹煮

平日を駆け抜けて、明日は週末。ケの日だけれどちょっとワクワクする金曜日の夜は、このひと皿を作って、週末のあれこれを考えながら、ゆっくりと楽しむひと時に。
蛤出汁の若竹煮
同じ季節に出回る食材は相性が良いとされ、日本料理では「出会いもの」と呼ばれます。若竹煮は今が旬のわかめと筍を合わせた「春の出会いもの」料理の代表格。同じく旬を迎えている蛤の合わせだしにすることで、より上品な香りと旨味を醸します。蛤の貝の口をきれいに開くには、蓋をして一気に火を入れるのがポイント。旬をいただくためのひと手間は料理を一層美味しくしてくれるから、筍の下茹でにも挑戦して、この季節ならではのご馳走をお楽しみください。
蛤出汁の若竹煮
材料 (2~3人分)
筍(下茹でしたもの) 約150g / 蛤 8個 / 生わかめ 約25g
 / 昆布 4g / 水 250cc / 酒 大さじ1 / 片栗粉 小さじ2 / 薄口醤油 小さじ1 / 味醂 小さじ1/2 / 塩 ひとつまみ / 木の芽 適量


作り方
1. 金曜日の朝、鍋に分量の水を入れ、昆布を浸けておく。

2. 夜、蛤を粗塩でこすって洗う。水気を拭いた筍とわかめは一口大に切る。
3. (1)の鍋に酒と蛤を入れて蓋をして、中火にかける。沸騰直前に昆布を引き出し、蛤の口が開いたら取り出して身を外しておく。
4. (3)の鍋のアクを取り除き、筍を入れて5分ほど煮たら、薄口醤油と味醂、塩を加えて落し蓋をし、5分ほど弱火で煮て火を止めたら、そのまま冷ます。煮汁小さじ2で片栗粉を溶いておく。
5. (4)の鍋をもう一度温めてわかめと蛤の身を加えてさっと煮て、器に具材を盛り付ける。溶いておいた片栗粉を加えてとろみを付けてかける。叩いて香りを出した木の芽を添える。
蛤出汁の若竹煮
蛤出汁の若竹煮
<筍の下茹で(金曜の朝や前日に)>
1. 筍(大1本)を洗って3枚ほど外側の硬い皮を剥き、穂先を斜めにカットし、紫色のイボがあれば取り除く。上部の茶色い皮の部分に縦に切り込みを入れる。

2. 鍋にたっぷりの水を加え、米ぬかを二掴みほどと赤唐辛子を丸ごと2本入れて、(1)の筍を入れ、落し蓋をして火にかける。沸騰直前に火を弱めて、根元に金串がすっと通るまで1時間ほどゆっくりと茹でる。
3. 茹で汁のまま冷めるまでそのまま置いておく。取り出して余分な皮を剥いたら、水洗いして使用する。保存する場合はひたひたの水を入れて冷蔵庫で保存し、4日くらいで使い切る。
蛤出汁の若竹煮

[CHEF PROFILE]
大黒谷寿恵(料理人、寿家主宰)

石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。数店舗の料理長を経て、2006年 kurkku cafeのディレクター兼料理 長に就任。独立後は講師、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業。野菜や日本の伝統食材を用いた料理を得意とする。2015年に「にほんのごはん」のサイトを立ち上げる。三菱地所が働く女性に向けた食のプロジェクト「Will Conscious Marunouchi」では、丸の内の飲食店舗と連携して、“腸内活性”をテーマにした料理のプロデュースも行う。共著に『和サラダ/和マリネ』(エイ出版)がある。
http://nihonnogohan.com/

写真:Mizuho Takamura

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