健康的でサステナブルな暮らしに向けた - ACTIVE BOTTLE -

ガラスのような透明度をもちながらも丈夫で割れにくい、環境に配慮したリサイクル素材を採用したACTIVE BOTTLE。プロダクトデザインを手掛けた安積伸さんにデザインのインスピレーションやプロセスについて伺いました。
— インスピレーションの源となったシーンやイメージしたものはありますか?

スケートボードを抱えて颯爽と歩く人。そのもう片方の手に携えられたウォーターボトル。そのようなイメージを頭の中で描きながらデザインしました。

水がたっぷり入った円筒形の塊は、透明なレンズの効果も相まって、それだけで美しいものです。そこには過剰な装飾よりも、骨太で愚直なデザインを与えることが好ましいのではないかと考えました。また、直線的で硬質なデザインは、ステンレス製タンブラーとして初めて手がけたトラベルタンブラーのデザインを継承しています。950mlの大きいサイズからデザインを始め、600mlの小さいサイズは、950mlのプロポーションをあえて変えることで太く短くなり、武骨さも愛らしさに変わるのではないかと考えました。
— ACTIVE BOTTLEのデザインをする際にどのようなことを意識されましたか?

「工業的な製造技術の限界を少しでも超える事が出来れば新しいデザイン表現が可能になるのではないか?」いつもそのような思いを込め提案を心がけています。

このボトルは透明素材を用いていますので、内部構造も外観に現れてしまうため、内部の凸凹をいかに美しく見せるか、どうしても美しくならない工業製品特有のディテールをいかに隠すか、という事に苦心しました。

さらに、メンテナンスや強度を考慮し、今回のデザインではハンドル部は樹脂パーツと一体成型を行っていますが、粘り強く調整してくれたことと、高い技術力があってこそ実現することができました。
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— デザインをする上で、特に苦労した点を教えてください。

水を飲む際の使用性・快適性については妥協のないよう心がけています。加えてこのボトルでは、ハンドルを持ってぶら下げて歩く際の快適性、ということに注目しました。太くて大きなボトルですので、水が入るとそれなりの重量となります。ハンドルに柔軟な素材を使い、持ち心地を良くし、本体とハンドルとの接合方法や位置を考慮する事で、ぶら下げて歩く際にボトルが暴れないよう、指先でボトルの動きをコントロールできるようにしました。

とはいえ、このようなことは快適であれば使用者は全く気づかない事柄だと思いますし、気づかれない事が良いデザインなのではないかと思っています。
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— ユーザーにどのように商品を愉しんでもらいたいですか?

渇きを癒す道具として、無骨に使い込んでもらえればと思います。そしていつかどこかで、たっぷり水の入ったこのボトルを片手にぶら下げ、背筋を伸ばして颯爽と歩く人とすれ違う事が出来れば幸せです。
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[DESIGNER PROFILE]
安積伸
2005年 a studio 設立。プロダクトやファニチャーのデザインを中心に、生活機器、照明、家電、 AV機器から空間設計などを幅広く手がける。2016年よりロンドンから日本に拠点を移し、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科教授に就任。


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