アウトドアでもこだわりを持ち、食事を愉しむ人へ向けたステンレス琺瑯の食器FORIS。開発に携わったメンバーに開発のきっかけや生産にいたるまでのプロセスについて訊きました。
- 企画のはじまり、起点になったこと
家族や友人と自然の中で過ごしたり、バーベキューやキャンプをする機会が増え、もっと屋外での食事の時間が豊かになるような上質な食器を使いたいと思ったのがきっかけでした。当初より着目していたのは金属にガラス質の釉薬を高温で焼き付けた琺瑯。雑菌が繁殖しにくいのが特徴で医療現場でも使われるほど衛生的、汚れや匂いもつきにくく、とにかく丈夫で半永久的に使える魅力的な素材。古くからある琺瑯製品ですが、高度な加工技術を要するためデザインの制約が多かったので、材料や加工方法を工夫することで、一般的な琺瑯食器のレトロな雰囲気とは異なるスタイリッシュな佇まいを目指しました。
家族や友人と自然の中で過ごしたり、バーベキューやキャンプをする機会が増え、もっと屋外での食事の時間が豊かになるような上質な食器を使いたいと思ったのがきっかけでした。当初より着目していたのは金属にガラス質の釉薬を高温で焼き付けた琺瑯。雑菌が繁殖しにくいのが特徴で医療現場でも使われるほど衛生的、汚れや匂いもつきにくく、とにかく丈夫で半永久的に使える魅力的な素材。古くからある琺瑯製品ですが、高度な加工技術を要するためデザインの制約が多かったので、材料や加工方法を工夫することで、一般的な琺瑯食器のレトロな雰囲気とは異なるスタイリッシュな佇まいを目指しました。
特に重視したのは、全てのアイテムがコンパクトに重ねられる形状であること。キャンプではテントを含めて多くの荷物で嵩張るため、可能な限り省スペースに収まること、そして、移動時にカタカタと音が鳴らないようにピッタリと重なることを意識しました。アウトドアシーンで愉しみながら使えるよう、自然環境に馴染みながらも、料理が引き立つようなフォルムと色、ディテールにもこだわりました。家族や友人と数人で使用することを想定し、バーベキューで取り分けるプレートや、ダッチオーブンで作ったスープやカレーを盛るためのボウルや、シェラカップのようなサイズ感のワイドマグなど6つのラインナップを揃えました。
- 進めていく上で課題になったこと
KINTOの想いに共感し、協力していただける工場を探すところからのスタートでした。国内外の工場を訪れ、各社の得意とする技術を拝見し工場を選定しましたが、こちらの理想とする形や仕上げのためには、新たな挑戦に対しても共に取り組めるパートナーシップも不可欠でした。
一般的な琺瑯食器は、強度の保持と、焼成時にフックで吊る製造上の都合によって縁を丸くカールさせます。従来の琺瑯製品にはないすっきりとした印象にするために、この縁をできる限り薄くしたいという想いがあり、そのような仕上げにすることで縁の裏に水が溜まることがなく、乾きやすいという実用面での利点にもつながると考えました。
KINTOの想いに共感し、協力していただける工場を探すところからのスタートでした。国内外の工場を訪れ、各社の得意とする技術を拝見し工場を選定しましたが、こちらの理想とする形や仕上げのためには、新たな挑戦に対しても共に取り組めるパートナーシップも不可欠でした。
一般的な琺瑯食器は、強度の保持と、焼成時にフックで吊る製造上の都合によって縁を丸くカールさせます。従来の琺瑯製品にはないすっきりとした印象にするために、この縁をできる限り薄くしたいという想いがあり、そのような仕上げにすることで縁の裏に水が溜まることがなく、乾きやすいという実用面での利点にもつながると考えました。
- 特に意識した点やこだわりについて
工場と方向性を共有し、縁のカールを極限まで薄くする試みや焼成方法の工夫など、共に数々の試行錯誤を繰り返しました。最終的に、薄くても強度があり錆びにくいステンレスを採用し、縁を曲げずに美しいカットラインを見せる仕上げを実現しました。
特に苦労したアイテムは、手で持ち、直に口に触れるマグとワイドマグ。アウトドアでの実用性と佇まいの調和を実現するには、製造方法とデザインを再考する必要がありました。マグのハンドルは、本体との接着面を極力小さくすることですっきりとした印象に。持ったときに指が痛くならないよう端面を小さく丸めて仕上げています。積み重ねられるように下方は本体から離していますが、出来立てのスープや熱い飲み物を入れた時に熱がハンドルに伝わりにくくなっています。
全ての器の縁は一見カットしたままの状態に見えますが、実際には釉薬が欠けにくいように、また、手触りや口当たりが良いように研磨して仕上げています。シンプルなデザインだからこそ精度が顕になるので、細部までこだわり1つ1つ丁寧に加工しています。手間を惜しまず、従来の枠を超えたチャレンジがあったからこそ実現できたと思っています。
工場と方向性を共有し、縁のカールを極限まで薄くする試みや焼成方法の工夫など、共に数々の試行錯誤を繰り返しました。最終的に、薄くても強度があり錆びにくいステンレスを採用し、縁を曲げずに美しいカットラインを見せる仕上げを実現しました。
特に苦労したアイテムは、手で持ち、直に口に触れるマグとワイドマグ。アウトドアでの実用性と佇まいの調和を実現するには、製造方法とデザインを再考する必要がありました。マグのハンドルは、本体との接着面を極力小さくすることですっきりとした印象に。持ったときに指が痛くならないよう端面を小さく丸めて仕上げています。積み重ねられるように下方は本体から離していますが、出来立てのスープや熱い飲み物を入れた時に熱がハンドルに伝わりにくくなっています。
全ての器の縁は一見カットしたままの状態に見えますが、実際には釉薬が欠けにくいように、また、手触りや口当たりが良いように研磨して仕上げています。シンプルなデザインだからこそ精度が顕になるので、細部までこだわり1つ1つ丁寧に加工しています。手間を惜しまず、従来の枠を超えたチャレンジがあったからこそ実現できたと思っています。
- デザインに期待したこと
美しい縁の仕上げや高い技術を活かし、グランピングや日常の食器としても使いたくなるような佇まいを目指しました。
このプロジェクトでは、家具や家電など多岐にわたるデザイン開発を手がけている倉本仁さんにご協力いただきました。倉本さんはプライベートでもキャンプやフィッシングなどの経験が豊富で、器にスリットを設けて乾燥しやすくしたり、ハンドルを取り付けることで調理道具としても使えるといったアイデアは、彼自身の実体験が反映されています。
美しい縁の仕上げや高い技術を活かし、グランピングや日常の食器としても使いたくなるような佇まいを目指しました。
このプロジェクトでは、家具や家電など多岐にわたるデザイン開発を手がけている倉本仁さんにご協力いただきました。倉本さんはプライベートでもキャンプやフィッシングなどの経験が豊富で、器にスリットを設けて乾燥しやすくしたり、ハンドルを取り付けることで調理道具としても使えるといったアイデアは、彼自身の実体験が反映されています。
日頃からアウトドアライフを愉しむ方にも満足してもらえるような機能と佇まいに仕上がったと思います。FORISと共に大自然の中で心地よい体験をしていただけたら嬉しいです。