CRAFT

Origins of Futo — Shiga 「滋賀の麻」から生まれた、毎日使いたくなるワッフルタオル

日々の生活に身近な布製品を、あらためてじっくりと観察することは少ないかもしれません。しかしワッフル生地をよく見てみると、まるで洗練された建築物のような、複雑な格子状に編まれた糸の層からできていることがわかります。凹凸のある立体的な質感をもつワッフル生地は、高い機能性も備えた布。吸水性、通気性、速乾性に優れ、タオルやブランケットに向いているのです。そうした特徴を活かしたいという想いから、Futoの新しいワッフルタオルが生まれることになりました。KINTOの本社からほど近い、滋賀県の老舗工場でつくられたプロダクトです。

Text: Ben Davis (The White Paper)
Translation: Yuto Miyamoto
Video: Masaki Miyamoto
Special Thanks: 滋賀麻工業

滋賀県・琵琶湖の東岸に位置する湖東地方。その繊維産業の歴史は、室町時代にまで遡ります。鈴鹿山脈から流れるきれいな水と高温多湿な内陸性の気候は、染色や織物に最適な環境。そこに、近江商人によって大麻や苧麻(ちょま)などの原料が持ち込まれたことで、農業の閑散期に機織りが行われるようになりました。日本三大上布のひとつである「近江上布」をはじめとする高品質の織物は、琵琶湖の水路と中山道を通って内陸へ運ばれ、この地域を麻織物の産地として発展させることになりました。

近江上布は現在も手織りでつくられていますが、こうした伝統的なものづくりの技法を産業化していくことで、湖東地域の繊維業界は発展していくことになりました。いまも稼働する数少ない工場のひとつである滋賀麻工業は、衣類、寝具、インテリア向けの良質な天然素材製品をつくり続けてきた会社。80年以上にわたって積み上げられてきた伝統技術と時代に合わせて変化を厭わない姿勢をもつ滋賀麻は、Futoの新作をともにつくり上げる理想のパートナーとなりました。

プロジェクトのきっかけとなったのは、滋賀麻のつくるワッフル生地。快適性と機能性の最適なバランスを備えたワッフル生地を開発すべく、KINTOの企画開発チームの坂田は滋賀麻とともに実験を重ねていきました。麻100%のワッフル生地が日常で気兼ねなく使うには少し繊細すぎると感じ、縦糸に綿を、緯糸にリネンを使用した生地を検討。試作、検証、調整を繰り返すなかで、少しずつ糸の太さを増やしていき、ふっくらとした質感のオリジナル生地が誕生したのでした。「ふかふかのパイルタオルのような心地良さを追求したかったわけではありません。日常の中でさっと拭いて、さっと乾く、少し薄手で軽く、気軽に扱えるタオルを目指しました」と坂田は言います。

同じワッフル生地を3種類のサイズのタオルに使用することで、シーンに合わせて選べるようにしたことに加えて、生産過程で生まれる残布を最小化しています。また膝掛けとして使ったり、専用の持ち運び用の巾着に入れてピクニックに持っていけるマルチクロスも制作。タオルやクロスといったシンプルな形状のアイテムだからこそ、素材の見た目と質感を主役とした製品に仕上がることになりました。ナチュラルの色味は染色せずに自然のままの色味を残し、グレーのリネンは黒く染めるために「かせ染め」を採用しています。この染色方法では、糸をループ状の束にして染料に浸すことで、自然な質感を保ちながら染料を浸透させることができます──でき上がったタオルに触れれば、その風合いを感じることができるでしょう。

    「小さいワッフルの四角一つひとつに、みっちりと糸が詰まっています。また表はリネンの糸が、裏はオーガニックコットンの綿が多く出る構造になっていることで、表はさらっと吸水性が高く、裏はふかっと柔らかいタオルになりました」と坂田は言います。「その違いが出るのも、今回オリジナルでつくった生地ならではです」

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